文:Yuka

6月30日(月)午後2時より 東京地方裁判所第721法廷にて

今回も傍聴席はほぼ満席。裁判長より、原告の準備書面と、被告の準備書面の確認後、今後の裁判のすすめ方について協議しました。

●口頭弁論

原告側より

前回提出の憲法学者の意見陳述に加え、さらに写真家、芸術表現の場にかかわる専門家の意見陳述を複数提出する。

証人尋問は、原告側としては、原告本人(安世鴻さん)。そのほかは検討中。被告側として、被告本人(ニコン社長、担当役員)を求めました。

被告側より

証人尋問として、経過についてと、中止決定について、それぞれ被告本人ではなく、担当者を考えている。

被告側の証人尋問ついて、双方異なるため、次回口頭弁論までに、原告は「尋問の事項書」を準備すること(つまり、被告本人でなくてはならない理由を明らかにする)、被告側は、担当者の陳述書を準備。双方の準備書面は次回口頭弁論の1週間前までとし、それらを検討して被告側の証人を決定していくこととなりました。

次回の口頭弁論は、10月6日(月)13:15より。721号法廷にて。

●報告集会(弁護士会館にて)

参加者30人程度。遠くは新潟など地方から来てくださった方もいらっしゃいました。会議室がロの字の机配置だったせいか、活発な質疑応答・意見が出されました。

1)弁護団より、今回の準備書面について説明

原告側の準備書面要旨

ニコンが右翼からの攻撃が危険だから中止したという理由について、それほどの危険性はなかったことを反論。

ニコン側の準備書面要旨

原告側が提出した憲法学者の意見書に対し、一私企業の事業なので憲法とは関係ないと反論。

2)今後は「立証」の段階へ〜裁判の山場

そろそろ双方の主張が見えてきたので、裁判としては今後、立証の段階に入ります。

原告側は、前回の憲法学者に加え、フォトジャーナリストや芸術表現の場にかかわる専門家の意見陳述を複数準備し、ニコンの写真展中止事件が、安世鴻個人のものでないこと、「慰安婦」問題だけの問題ではないことを伝えていきます。

また、事実認証のために、原告本人である安世鴻さんを証人尋問します。その他、当時のスタッフなど関係者については検討中。そして、もっとも重要な争点である「写真展の中止理由」を立証するために、なんとしても被告本人・ニコン社長と担当役員を証人尋問したいと考えています。

一方、被告側は、当時の担当者で済ませようとしています。

裁判所としては、証人ついて双方の意見が異なるため、原告には被告本人でなければならない理由の提出(尋問事項書)を求め、被告には担当者が陳述する内容の提出(陳述書)を求めました。次回第8回口頭弁論の1週間前に提出することとなりました。

したがって、いまなおいっそう傍聴者を増やし、この裁判を多くの人が注目しているということを示していくことが大事です。

証人尋問は早ければ年内か年明けの見通しで、証人尋問になれば、当時の生々しい状況が見えてくる可能性もあります。

3)参加者より、質疑応答と意見

Q 被告本人が証人として出ない場合でも、担当者の供述が不十分な場合、さらに本人供述を求められるのか?

A 可能であるとのこと。いかに被告本人を証人として立たせるかが一つのポイント。

Q マスコミにはどのように広めているのか?

A 口頭弁論のたびに案内はしているが、なかなか毎回関心をもってもらうのはむずかしい。伝えるためにさまざまなことをしていきたい。

Q ニコンが私企業だから責任がないとしているとすると、表現の自由の観点からのたたかいは限界があるのではないか?

A 私企業か、公的な場所であるかにかかわらず、「表現の場」である以上、最低限守るべきものはあるはずであり、裁判所はそれを保護する責任があるという方向でたたかっていきたい。

そのほか出された意見

・ジャーナリストの多くは、ニコン問題はもう終わっているという認識がある。そこをどう変えるが重要。今日の弁護団の話で、なぜこの写真展が中止になったのか、そのプロセスを明らかにすることがもっとも大切であり、そのことはジャーナリストにとって生命線とも言える重要なことである。そのことをジャーナリズムにかかわる人々にあらためて伝えたい。

・意見陳述の中で、憲法や表現者からの視点だけでなく、歴史的観点からの指摘も重要ではないか。

4)安世鴻さんから

原告の安世鴻さんは「この日本社会で活動していこうとしている自分にとって、表現の場の確保がどんどんむずかしくなっていると実感する。被害者の女性たちの声を伝えなければという思いはますます強くなっている」と挨拶しました。

会議室でロの字型に並べた机のせいか、いつもより質問・意見が多く出されました。新規会員も2名あり、少しずつですが支援・共感の輪をひろげていきたいと思います。

最後に

支援の会運営メンバーから、裁判のハイライトを迎えるなかで、安世鴻さんの作品も含め、いまの日本社会で見えなくさせられているもの・隠されようとしている芸術・表現をテーマにした消されたものたちの展覧会」(仮称)を企画中であることが報告されました。そこでは作品展示とともに、消されようとしている意味などを議論する場をつくりたいと思います。関心のある方はぜひご参加ください。(時期は2015年1月予定)

 

 

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